日本人醸造家がボルドーで自ら造りだすワイン。
本日はクロ・レオをご紹介。
日本人醸造家、篠原麗雄さん
クロ・レオを立ち上げた篠原麗雄さん。
兵庫県宝塚生まれの日本人醸造家です。
このクロ・レオ、私の独立開業時にお祝いとして友人からいただいたものなんですが、
なんと、その友人はこの篠原麗雄さんと同級生!!
その友人はお酒をほとんど飲まないので、ワインも詳しくないんですが、
唯一知っていると言っていい、この同級生の造るワインをお祝いに贈ってくれました。
ライオンのエチケットを見かけた事はあったものの、
飲んだことはなく、日本人が造っているとも知りませんでした。
こんな出会い、ちょっといいよなとニンマリしてしまいます(笑)。
話を篠原麗雄さんに戻します。
2000年に渡仏、あのシャトー・ヴァランドローで有名な
テュヌバン社で働いておられました。
2002年には、サン・テミリオンの東コート・ド・カスティヨンの
ベルヴェーズ地区にある0.82haの畑を取得。
ボルドーで、初めてブドウ畑を所有した日本人でもあります。
サン・テミリオンから続く丘陵地、北向きの斜面は、粘土石灰質土壌です。
ジャン・リュック・テュヌヴァン氏やオーゾンヌのアラン・ヴォーティエ氏も
太鼓判を押した畑。ブドウの樹の平均樹齢は40年程とのことです。
すべての作業を完璧にこなしたいとの思いから、
作業量は他の生産者の何倍もかかるようです。
その代わり、生産量は極めて少なく、
量よりも質を重視するこだわりの生産者です。
クロ・レオ
クロ・レオはメルローとカベルネ・フランで造られ、
アッサンブラージュは、メルロー80%、カベルネ・フラン20%。
粘土質土壌に植えられているメルローから力強さを、
石灰質土壌に植えられているカベルネ・フランからは繊細な酸を
ワインに与えています。
作業は全て手摘みで収穫。
ビオディナミではありませんが、化学肥料は使わず堆肥を使い、
除草剤も使わず、畑をできる限り自然の状態良いコンディションになるよう、
コントロールしています。
醸造や熟成の方法は、2002年から毎年方法を変更しており、
年によってワインのスタイルが異なるのが特徴。
土壌に合った醸造方法を見つけるべく、
日々試行錯誤が続いています。
樽熟成は、フランス製の樽で熟成。
以前は新樽率60%以上だったものが、
2007年から30%程に落としているとのこと。
樽を抑えめの方が、クロ・レオのワインのタンニンや香りと合い、
より複雑になっているとのことです。
なお、樽の種類も2007年からは、ブルゴーニュ樽を使用しています。
力強さの中に繊細さが同居するワイン
1年半ほどセラーで寝かせていたクロ・レオ。
抜栓の時がやってきました(笑)。
しっかり長めのコルクからは、ヴァニラ香がしっかり。
バターの様な香りも感じます。
グラスに注ぐと、しっかり濃いルビー色。
香りは果実の香りが広がる中、杉やハーブの植物的な香りが漂います。
スワリングしてみると、広がる香りに気品を感じます。
グラスから垂れる液体を見ると、結構粘性があります。
口に含むと、しっかりと力強さは感じるものの、
甘ったるいニュアンスはなく、クラシカル。
凝縮したブドウのうま味が詰まっているのを感じます。
最初のコルクの香りからは、もう少し甘めをイメージしましたが、
野暮ったい感じにはならず、繊細さが印象的です。
まだ少し固くゆっくり飲んだ方がいいと思い、グラスには心持ち少なめに注ぐことに。
時間の経過と共に、メルローの果実味がどんどん開き始め、
甘味が少しずつ顔をのぞかせます。
ただし、カベルネ・フランのきれいな酸が根底に鎮座しており、
メルローの果実味と樽の香りがうまく同居しています。
篠原さんの理想が、”力強く繊細なワインを造り上げること”とのことですが、
クロ・レオからは、しっかりとその言葉を裏付ける味わいを感じることができます。
同年代の日本人がフランスの本場ボルドーで、
現地に負けない気品ある一本を造っています。
ワイン好きの日本人であれば、一度は飲んでいただきたい一本です!
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【編集後記】
このワインをそのうち手に取っていたかもしれませんが、
こうやって人の繋がりのもと最初に出会えたのは、
とても運が良かったなと思います。
ワインとの出会いが、人生と共に紡がれていく中で、
このような印象に残る出会いは、ずっと心に残ります!
【昨日の一日一新】
・明太惣菜かば田 明太ポテトサラダ