ドラッカー、会計だけでは見えない経営の奥深さを知る。

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ずいぶん前から話題のドラッカー。
お恥ずかしながら、初めて関連本を読んでみました。
会計人としても目からウロコの内容が詰まっています!

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会計の限界を知る

会計は、企業経営においてなくてはならないものの一つでしょう。
大企業も中小企業も、それぞれの会計のルールに準じて決算書を作成しています。
利潤追求団体としての企業の姿の表現方法として、会計は現前と存在しています。

しかしながら、会計により算出される”利益”、この利益が必ずしも企業の
儲けに直結していないことは、みなさんもご存じでしょう。
「発生主義による利益」と儲けの最たるものである「キャッシュの増加」
これらがズレることは、会計が万能ではないことの一つです。

本書の中に、次の言葉が出てきます。

売れる商品はごく一部

コストの90%はムダに使われる

商品やモノやサービス、これらは均等に売れるわけでもなく、
ごく一部の売れ筋が、大半の利益を獲得しているという事実。

また、利益を売るために支出していたはずのコストの大半が
実は売上に貢献していないという事実。

また、この言葉もとても説得力があります。

製品の価格は消費者が決めるんだ

コストの負担者は誰かということ。
企業の中でコストと言っているものを、最終的に消費者が購入することによって負担します。つまりは、消費者が購入する価格であるからこそ、そのコストがコスト足りえるということ。

コストから積み上げた販売価格によって消費者に負担を強いる時代は過去のもの。
消費者の購入する価格から利益を差し引いた残りの額、
この金額をコストは超えることができないのだということ。
この感覚を認識する時代に変わりつつあるということです。

決算書の数字を見るだけでは、これら企業の経済活動の中身、実態までは把握できません。
見るべきところは、決算書だけではないのです。
算出された当期利益の金額に一喜一憂したところで、経営状況は改善しないのですから。

新たな価値創造のために必要なこと

消費者が価格を決めるということ。
消費者がその価格に価値を感じていることの証です。
提供するために価値を創造していくことが、
企業が儲けを獲得していくための最大の使命と言えるでしょう。

そして、その創造された価値は不変ではありません。
時代と共にその創造された価値は陳腐化していくものです。
新たな価値を創造し続けることが、生き残る術だということです。

そう考えると、企業を経営する上でやるべきことはたくさんあるはずです。
企業は生き物です。常にその状態を見極め、その変化に敏感でなくてはいけません。
自らの企業のことを、しっかり分析できている企業は多くないと思います。

分析ができていなければ、対策がとれないのは企業経営だけの話ではありません。
儲かっている理由、儲かっていない理由、投資に見合うリターンがどれだけ返ってきているか・・・、じっくりと向き合って自らの企業を知ることが最初の一歩だと感じます。

ドラッカーの本を読みたくなってくる

この本の著者は、林總さん。
以前、「居酒屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?」
でも楽しく読ませていただきました。

本当の姿を知るために、会計を活用する。
「餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?」 目を引くタイトルのこの本は、10年前の2008年に刊行されてたんですね。 今読んでも、...

今回の「ドラッカーと会計の話をしよう」でも、堅苦しい会計、経営の話題を
物語の中に織り込みながら、スルスルと読み進めることができます。
場面場面でワインが登場するのも、個人的には嬉しくなります!

この「ドラッカーと会計の話をしよう」は、二冊の本が収録されていてお得です。
Part1と題して「利益は幻想である(営利組織編)」。
Part2と題して「病院はなぜ儲からないのか(非営利組織編)」。

Part2では生産性に焦点が当てられ、肉体労働者と知識労働者の生産性など、
興味がつきない切り口がたくさん出てきます。

ドラッカーの世界観に触れられ、実際の著書も読んでみたいなと思わせてくれる本書。
企業経営者、会計にかかわる方々、最初のドラッカー入門編としてとても分かりやすい良著だと思います。

ABC原価計算等、更に詳しく知りたいです。

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【編集後記】
日本シリーズ第5戦。
接戦に終止符を打ったのは、西川選手の9回裏サヨナラ満塁ホームラン。
劇的でした!!
ホームチームが勝ち続ける今年の日本シリーズ。
大谷選手は第6戦には先発しないようですね。
明日は広島に頑張ってもらって3勝3敗のタイの中、
最終戦での黒田投手、大谷投手の投げ合いが見たいものです!!

【昨日の一日一新】
・Evernote Web クリッパー

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