最近は赤が続いていたので、久しぶりの白。
南アフリカのシャルドネをご紹介。
南アフリカのワイン
南アフリカでワインが初めて造られたのは1659年。
17世紀の大航海時代にさかのぼりますので、
その歴史はアメリカやオーストラリアよりも古いことになります。
オランダ東インド会社がインドや周辺地域に向かう際、
南アフリカのケープタウンを寄港地にしていたのは有名ですよね。
17世紀後半には、フランスでの宗教迫害を受けたユグノー派の人々が
南アフリカへの入植をはじめ、ワインの生産を発展させることになります。
フィロキセラの発生やアパルトヘイトの影響等、苦難の時代も乗り越え、
1994年、ネルソン・マンデラがアパルトヘイトを廃止して以降は、
海外への輸出が伸び始め、世界的にも高い評価を受けるワインが生み出されています。
ワイン産地は、南緯27度~34度に広がり地中海性気候です。
中心である西ケープ州は、南極からの冷たいベンゲラ海流の影響を受け、
緯度のわりには冷涼な気候です。
春から夏にかけては、”ケープドクター”と呼ばれる乾燥した風が吹くため、
防虫剤や防かび剤の使用料も最低限に抑えることができます。
西ケープ州には、ユネスコ世界自然遺産にも登録されている植物自然保護区があり、
ワインの大半がこの保護区で生産されています。
土壌も世界最古のものと言われており、その種類も多種多様。
世界でも厳しい環境基準が定められており、
自然にも人にも優しいワイン造りが行われています。
南アフリカを代表するブドウは、スティーンと呼ばれていたシュナン・ブランで、
栽培面積は世界一を誇ります。
ピノ・ノワールとサンソーの交配種であるピノ・タージュは、
南アフリカ独自のブドウとして有名です。
ハミルトン・ラッセル・ヴィンヤーズ
ハミルトン・ラッセル・ヴィンヤーズは、ティム・ハミルトン・ラッセル氏が、
1975年に設立したワイナリー。
ケープタウンから120km程東南、南大西洋に面する冷涼なウォーカー・ベイ地区に
位置します。
南緯34度という位置は、南アフリカのワイン産地の中でも最も南にあり、
北半球でいえばカリフォルニアのサンタ・バーバラと同じような位置関係にあります。
南アフリカの中でも、このワイナリーほど収量を抑えて生産してるところはないと
言われるくらいの低収量で、上質なワインを造りだしています。
ワインはピノ・ノワールとシャルドネのみで、
南アフリカのトップアイテムとして、世界中の高級ホテルやレストランで扱われています。
厚みのあるボディの奥底に感じるきれいな酸が印象的
南アフリカのワイン、赤は何度か飲んだことがあるものの、
白はほとんど記憶にあらず。
まっさらな気持ちで抜栓。
色味はしっかりめの色づきで、輝く黄金色。
味わいもしっかりしてそうな雰囲気。
香りをかいでみると、抜栓すぐから華やかな香りが広がります。
結構樽もしっかりしてるのかなといった感じで、バニラ香も感じられます。
口に含むと、見た目のイメージどおり厚みのあるシャルドネのスタイル。
果実味、旨みがしっかりしており、一口目から美味しい。
カリフォルニアのシャルドネを想起させますが、
飲み終わった後に残るしっかりした酸味が、うまく派手さを引き締めており好印象。
さすがに高級ホテルやレストランでオンリストされているだけのことはあるなと。
飲み進めていくとより香りが開いてくるので、樽感は協調されてきます。
ただ、しっかりしたブドウの果実味と根底にある酸味の支えにより、
飲み疲れるようなことはありません。
しっかりタイプなのに、どこかスルスルと進んでいく感じです。
低収量による凝縮感と冷涼な気候によるきれいな酸味のバランスが心地よい。
ブルゴーニュほどの凛とした佇まいではありませんが、
親しみやすさの奥に上品さを感じられる、良質なシャルドネです!!
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【編集後記】
ワインにとって「酸」の存在は非常に重要ですね。
酸っぱすぎても興ざめですし、酸を感じられない濃厚ワインは
最初は良くても、ずっと飲めないですしね。
やっぱりバランスって大切です!!
【昨日の一日一新】
・ファミマ ベーコンとチーズの包み焼きピッツァ、しっとりたまご蒸しパン