今回はシャンボール・ミュジニー。
アラン・ユドロ・ノエラのレ・シャルムをご紹介。
シャンボール・ミュジニー
コート・ド・ニュイの中でも人気のシャンボール・ミュジニー。
北はモレ・サン・ドニ、南はヴージョと隣接しており、
北と南でワインの趣が随分変わると言われています。
一般的には、気品があり繊細でエレガント、女性的なワインと
形容されることが多いシャンボール・ミュジニー。
北と南にグラン・クリュが分かれていますが、
北のボンヌ・マールではモレ・サン・ドニやシャンベルタンに近い、
骨格のしっかりした男性的なワインが造られます。
一方、南のグラン・クリュのミュジニーは、女性的な佇まい。
繊細でエレガントな、いかにもシャンボール・ミュジニーらしいと言われる
美しさの極致を垣間見れるワインが造られます。
土壌は石灰岩系の割合が多く、粘土質が少ない土壌。
小石混じりの岩屑が主体で、軽質であることが、
重くなくエレガントで繊細なワインを産み出してします。
グラン・クリュは既出のとおり、ボンヌ・マールとミュジニーの二つ。
プルミエ・クリュは、漫画神の雫でも話題になった、
レ・ザムルーズなどを含め24の畑があります。
アラン・ユドロ・ノエラ
ドメーヌの設立は1964年。
アラン・ユドロが妻のオディールと共に、
ヴージョにドメーヌを構えます。
オディールは、かの有名なシャルル・ノエラの孫娘にあたり、
1978年には祖父の所有する至極の畑の1/4を受け継ぎます。
その中には、リシュブール、ロマネ・サンヴィヴァン等の
きらびやかな畑が名を連ねていました。
現在、ドメーヌの指揮をとるのは、孫のシャルル・ヴァン・カネット。
ボーヌの醸造学校に入学後、ジュヴレ・シャンベルタンのジャン・ルイ・トラペで
修行を積み、2008年にドメーヌ入りしています。
1988年生まれのシャルル・ヴァン・カネット、
20代の若さでありながら、ブドウ栽培、醸造、マーケティングにいたるまで、
ドメーヌのほとんどの仕事を祖父から委ねられています。
ブドウ栽培は、リュット・レゾネ。
ビオ・ディナミにも関心を寄せています。
醸造は、祖父の時代は完全除梗でしたが、
現在では一部を全房発酵を進めるなど、
新たな試みを実践。
新樽の比率も、グラン・クリュで50~60%、
プルミエ・クリュで30~50%、村名では20%と抑え目。
ブドウ本来の力を存分に引き出した、
雑味のないしっかりしたワイン造りが特徴と言えます。
エレガントな中に、芯がしっかりしているのを感じる
畑の名前のレ・シャルムというのは「可愛らしい、魅了」という意味合い。
畑の場所は、中心部よりやや南寄りのところに位置しています。
最初のテイスティングの段階で、可愛らしい名前とは裏腹に、
複雑な妖艶な雰囲気を感じました。
2004年ということで、そろそろ飲み頃に入りだしたぐらいとのこと。
色合いは、やや縁がオレンジがかりはじめた、きれいなルビー色。
なんとも言えない複雑な香りが漂います。
やはり、香りに奥行きがあるというか、深さがあるというか、
熟成香が、その複雑さを醸し出しています。
味わいは、うまみがじんわりと口の中に広がります。
余韻もしっかり長い、さすがにプルミエ・クリュですね。
とっつきやすい甘さのようなニュアンスはなく、
きれいな品のあるエレガントさの中に、芯のあるうま味が存在しています。
時間の経過とともにうま味が増していきますが、
ほんのり舌に残る優しい甘みは、上品です。
最後は、酸が少しずつ顔を出してきましたが、
エレガントさは終始変わらず、涼しげな風情です。
可愛らしいというよりは、凛とした佇まいの女性。
熟成のベールをまとったその中身は、
儚げではなく、しっかり芯の通った女性の趣を感じさせる一本です。
※ヴィンテージは異なります。
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【編集後記】
今週は他支部の確定申告応援の税務従事があったりで、
何かとバタバタな一週間でした。
先週末飲んだ今回の記事のワインが、懐かしい(笑)。
【昨日の一日一新】
・メールサーバーの容量変更
・魏飯夷堂 北新地店