民泊としての不動産活用、固定資産税の負担増には注意が必要。

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外国人旅行者の増加に伴い、今話題の民泊。
民泊で得た所得は、原則として確定申告(不動産所得、事業所得、雑所得)が必要です。
ただ、それ以外に固定資産税の負担増になる場合があり、注意が必要です。

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住宅用地は固定資産税が軽減されている

不動産を所有していると、固定資産税がかかってきます。
固定資産税は、固定資産の所在する各市町村が課税する地方税です。
毎年1月1日を賦課期日として、その時の所有者に対し、
その時の現況に対して課税されます。

固定資産税の税額は、原則として課税標準額(固定資産税評価額)に、
税率(標準税率:1.4%)を乗じて計算されます。
(※固定資産税本税以外に、都市計画税なども併せて徴収される地域もあります。)

住宅用地には下記の課税標準の特例が定められています。

小規模住宅用地…課税標準額をその価額の1/6の額とする

一般住宅用地…課税標準額をその価額の1/3の額とする

住宅用地だと、課税標準額がかなり圧縮されて税額が軽減されています。
ちなみに、住宅用地とは、専用住宅(専ら住宅)の敷地の用に供されている土地
及び併用住宅(一部が居住用)の敷地に用に供されている土地をいいます。

200㎡以下の住宅用地は、減額幅の大きな小規模住宅用地に該当します。
一般的な住宅の敷地の土地は、この小規模住宅用地として1/6の軽減を受けていることが多いでしょう。なお、200㎡を超え、住宅の床面積の10倍までの部分は一般住宅用地になり1/3の軽減です。

住宅用地に該当しないと、軽減がなくなり税負担増加の可能性も

2020年の東京オリンピックに向けて、需要が高まっている民泊。
違法や迷惑等の話も含めて、よくニュースになっていますよね。

で、この民泊、営業するためには手続きが必要です。
旅館業法による許可を得るか、地方公共団体等の国家戦略特区に基づく民泊条例による
認定を受ける必要があります。

この手続きを行わずに違法営業する方が多かったり、
といった問題も含めて、まだまだ民泊のあり方は
今後も議論が続いていくでしょう。

現状、この旅館業法等での登録が必要な民泊。
民泊での宿泊、滞在が、ホテル等での宿泊などと同じ扱いになります。
つまりは、日々生活する場としての”居住”という概念とは異なることから、
民泊=人の居住の用に供する家屋ではない、ということです。

民泊が居住の用に供する家屋でないということは、
その敷地も住宅用地には該当しないことになります。
そうなれば、上記の住宅用地の軽減の適用がなくなることになります。

住宅用地でない土地は、非住宅用地として固定資産税が計算されます。
非住宅用地の計算でも負担調整措置という制度があり、
70%程度に課税標準額が軽減されます。
しかし、住宅用地の軽減に比べると、軽減割合が低いのです。
格段に税負担が増加することになります。

民泊新法の動向には注目

調整が難航したため、この秋の臨時国会への提出が見送られた民泊新法。
民泊新法では営業日数に制限を設ける案が出ています。
上限を撤廃したい不動産業界と極力制限したいホテル・旅館業界と、
意見がぶつかり合っている状況です。

上記のとおり、現状、民泊は旅館等としての扱いです。
いわゆる住宅専用地域では、原則として旅館等の建設はできませんので、
この地域での家やマンションを民泊として営業することは違法になるわけです。

そこで、これらの住宅を民泊として活用できるよう、
一定のルール作りを行っているのが、民泊新法ということになります。

この民泊新法で、「住宅」としての民泊の定義が定まることになれば、
現在、固定資産税の住宅用地の軽減が適用されない点など、
解消される可能性が出てくるかも知れません。

「住宅」としての民泊の定義が定まるのは、もう少し先になりそうですが、
政府としても民泊普及に力を入れていることは確実です。
民泊新法の動向には注目しておきましょう。

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【編集後記】
今週から、事務所で足元の足温器を時折稼働させました。
「ちょっと早いかなぁ」と思いましたが、つけると快適です。
寒さに弱い私、やっぱり冷えには勝てません(苦笑)。

【昨日の一日一新】
・和Saiの国 カーリーポテトフライ
・カフェ ディ エスプレッソ 大阪天満宮店

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