週末の家飲み、ブルゴーニュの気分でセラーを物色。
すると、先日記事に上げたダニエル・リオンの長男、パトリス・リオンを発見。
てなわけで、またまたリオン家のワインのお話しです。
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ
コート・ドールの北半分、コート・ド・ニュイ。代表的な町のニュイ・サンジョルジュの名がつけられている地域。ジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニー、ヴォーヌ・ロマネなど、そうそうたる村が軒を連ねています。
一般的に「ニュイの赤」と呼ばれ、ブルゴーニュの赤の極上ものは、ほとんどこのコート・ド・ニュイに集中しています。
ちなみに、コート・ドールの南半分はコート・ド・ボーヌ。こちらも代表的な街のボーヌの名がつけられており、一般的には「ボーヌの白」と白ワインが有名。
ムルソー、モンラッシェという、こちらも白の2大巨頭が存在感を出しています。
で、コート・ド・ニュイ・ヴィラージュに話を戻します。
名前からするとコート・ド・ニュイのいろんな村のブドウで造られたワインを想像しますが、少しだけ特殊です。
後ろに「ヴィラージュ」という”村”を意味する言葉が付きますが、この言葉、ワイン用語では特定の地域で並酒よりも良いものを出せる地域に限って、この「ヴィラージュ」という尊称をつけることができます。
11月には、ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーボーと表示されてるものを、ボジョレーの少々高級品として巷で見かけたことがあるかと思います。
で、この並酒よりちょっといい「ヴィラージュ」の尊称の使用は、5つの村に限定されています。この5つの村(フィサン、ブロション、プレモー=プリッセイ、コンブランシアン、コルゴーロアン)は、固有で村名のワインを出せない地域(例外のフィサンのみ固有の村名も両方OK)なんですが、その代わりといった形でこの「ヴィラージュ」を名乗れることになります。
そういう意味では、「ブルゴーニュ」の広域名称で出されるワインよりも、出所がはっきりしているので、品質のレベルも高めです。村としては有名ではなくても、実質的には村名ワインに近い味わいを楽しめるワインが、コート・ド・ニュイ・ヴィラージュと言えます。
パトリス・リオン
ダニエル・リオンの長男、パトリス・リオン。ダニエル・リオン・エ・フィスから独立してパトリス・リオンを立ち上げたのは、前回のクロ・ヴージョの時にも触れました。
パトリス・リオンは、ブドウを自家栽培してワインを醸造するドメーヌでありながら、他の造り手の造ったブドウでワインを醸造するネゴシアンの顔も併せ持ちます。
ブドウを買い付ける契約農家に対して、ブドウの栽培の指導、収穫を行う日の指示等、厳格な管理を行っています。ネゴシアンのものでも、一定の品質にこだわりを見せていると言っていいでしょう。
アンリ・ジャイエから強い影響を受け、オレゴンでは醸造コンサルタントとして活躍するなど、天才的な醸造センスを有すると言われているパトリス・リオン。
ダニエル・リオンをニュイ・サン・ジョルジュを代表する生産者に引き上げた才能は、この立ち上げたパトリス・リオンでもいかんなく発揮されています。
エレガントで優しい味わい
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ 2011、スクリューキャップなので少々趣はありませんが、グラスに注ぐと思っていた以上に良い香りが立ち上ります。
色は、そこそこ薄目。
香りがよかったので、期待した一口目は、少々薄っぺらい印象。
ただ、写真を見てもわかるとおり、セラーから出したばかりで冷えてたので致し方なし。
少し時間を置いての二口目、早くも先ほどとは違い、味わいがしっかり口の中に広がるようになってきました。もちろん、ダニエル・リオンのクロ・ヴージョの様な厚みはありませんが、エレガントで優しい味わい。濃くはないんですが、ちゃんとうま味が残ります。
酸っぱいだけのブルゴーニュも数多ある中、さすがに「ヴィラージュ」がついているだけはあります。
ちなみに、このコート・ド・ニュイ・ヴィラージュに使われているブドウは、コンブランシアン村のもの。小石が多く混ざった石灰砂質土壌の畑で、平均樹齢45年の樹から収穫されています。ちゃんとエチケットの下にヴィエイユ・ヴィーニュと書いてましたね。
鶏肉の炒め物や、後半はつまみのレッドチェダーと合わせましたが、非常にうまくマッチしていました。家庭料理にも合わせやすく、バランスの取れたワインという感想。
パトリス・リオンの他の銘柄も気になるお味でした。
※ヴィンテージ違いですが
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
【編集後記】
今回はたまたまリオン繋がりでのワイン記事。
前回の記事でダニエル・リオンとパトリス・リオンが親子と知ったおかげ(?)で、
登場と相成ったワイン。
飲むワインにも影響を及ぼしているブログ活動です(笑)。
【昨日の一日一新】
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