本日はブルゴーニュ、モレ・サン・ドニ村のワイン。
力強さの中にうま味が溶け込んでいます。
モレ・サン・ドニ
コート・ド・ニュイの中で、北にジュヴレイ・シャンベルタン村、南にシャンボール・ミュジニー村と有名な村に挟まれ、少し地味な印象なのがモレ・サン・ドニ村です。
造られるワインの大半は赤ワインです。
村の北部ではジュヴレイ・シャンベルタン村の影響を受け、力強い男性的なしっかりした造りのものが多く、南部ではシャンボール・ミュジニー村の影響を受け、優雅でエレガントな味わいの造りのものが多くみられます。
特級畑は、クロ・ド・タール、ボンヌ・マール、クロ・ド・ラロッシュ、クロ・サン・ドニ、クロ・デ・ランブレの5つ。ボンヌ・マールはシャンボール・ミュジニー村と跨っており、大半はシャンボール・ミュジニー村にあります。
村の面積はそれほど大きくありませんが、特級畑、1級畑の数も多く、全畑のうちに占めるこれらの畑の割合が高いのも特徴です。
セラファン・ペール・エ・フィス
1947年、スタニスラ・セラファンによって設立。現在の当主クリスチャン・セラファンによって1960年代頃より徐々に発展してきたドメーヌです。
最初の頃はネゴシアンにブドウを販売していましたが、1987年には100%ドメーヌ元詰になりました。
本拠地はジュヴレイ・シャンベルタン村にあり、1990年代にはシャンボール・ミュジニー村やモレ・サン・ドニ村の畑を取得、現在では合わせて約5.3haの畑を所有しています。
現在、クリスチャン・セラファンは70歳を超え、姪のフレデリック・バショテを指導しながら、今なおワイン造りに取り組んでいます。完璧主義を貫く頑固者で、ワインに人の手を加えないよう、自然環境を尊重するブドウ造りを行っています。
また、新樽の魔術師の異名をとるセラファン。新樽率が70~100%と高いのも特徴です。
これだけ新樽の使用率が高いのも、栽培したブドウの高い品質が、樽に負けないポテンシャルを持っているからこそできる芸当です。
力強さの中にうま味が優しく溶け込んでいる
レ・ミランド、クリスチャン・セラファンが1995年に購入した一級畑です。
村のほぼ中央付近、特級畑クロ・サン・ドニの東側にある畑です。
今回のヴィンテージは2003年。
天候的にも猛暑で、ブドウが過熟になる傾向が多かった年です。
開けたての香りは、非常に素晴らしいですね。
最初はセラーから出してそのままグラスに注いでもらいましたが、
まだ冷えているのに、しっかりと良い香りが広がります。
色合いは結構しっかりしています。
ライトに当てて透かして撮ってみようと思いましたが、うまくいかず(苦笑)。
香りからも色からも、しっかりした味わいであることは想像できます。
口に含むと、しっかりした果実味、うま味、甘みが広がっていきます。
なかなかにしなやかでまろやか、美味しいですねぇ!!
新樽比率が高いのが特徴ですが、13年経っていることもあり、
特に樽々しているようなところもなく、馴染んでいる印象です。
ただ、前面には出てこない酸がバラツキ加減の印象。まろやかさはあるんですが、
もう少し酸を感じれる方が、全体のバランスとしては良いのかもしれません。
優雅でエレガントというよりは、やはりしっかりとした骨格の中にうま味が閉じ込められているといった印象。濃厚な出汁感を堪能できます。
2003年ですから13年の熟成を経ていますが、熟成香がそれほど広がる感じでもないので、まだまだ熟成に耐えうるポテンシャルを秘めていると感じたワインでした。
※ヴィンテージ違いですが
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
【編集後記】
この日は別のお店でもモレ・サン・ドニのワインをグラスで。
ドメーヌ・デュジャックの村名ワイン。
村名とは思えぬ優しさで、こちらも秀逸です!!
モレ・サン・ドニを堪能した楽しい一日でした!!
【週末の一日一新】
・えびす丸 濃厚鶏白湯ラーメン
・ケルナー種のワイン
・中華三昧 酸辣湯麺
・蓮生 ざるそば、鴨せいろ
・蜷川実花写真展