中小企業が経営する上で、とても重要な役割を担う借入金。
当然ですが、借りたお金は返さなければなりません。
返済苦に陥らないためにも、資金繰りを把握した上での経営を心掛けましょう。
借入金の返済が苦しいのはなぜか?
「借入金の返済が苦しい」、中小企業でこのような悩みを持つ会社(個人事業主)は多いです。では、返済が苦しくなってしまったのは、何が原因なのでしょうか?
不景気、売上が上がらない、経費が掛かり過ぎ、無駄な資産を購入した、生産性が悪い・・・、様々なファクターが頭をよぎると思います。
そして、それらのファクターは少なからず原因を構成しているに違いありません。
でも、その前に単純に考えてみましょう。
借入金の返済を苦しく感じるということは、単に「お金が足りない」から苦しいわけです。
山ほど現金預金を保有していれば、売上が上がらなくても、生産性が悪くても、借入金の返済が可能ですから、特に苦しいとは感じないはずです(それが良いかどうかは別として)。
ということは、「お金が足りている状況」を作る必要があるわけです。
この「お金が足りている状況」とは、どの様な状況を言うのでしょうか?
借入金の返済に必要な利益を認識する
最初に借入を行った瞬間、企業には「手持資金+借入資金」というお金が、しっかりあるはずです。仮にこのお金を全く使わなかったとしたら、返済に困ることはありません。
金利である支払利息については、手持資金で支払う必要がありますが、
元本自体の返済は問題なくできるはずです。入ってきたお金が出ていくだけなのですから。
しかしながら、せっかく資金を調達したのに使わないということはあり得ません。
借りたお金を、営業活動に使ったり、設備投資を行ったり、人材確保に使ったりと
利益を獲得するべく、資金を投下していくわけです。
では、今度は借りたお金を100%設備投資に投下したと仮定します。
借入の返済はどのように行っていけばいいのでしょうか?
手持資金がある間は手持資金で返済できますが、なくなれば返済できません。
当たり前ですが、事業活動によりお金を増やす(≒利益を出す)しかないのです。
その増えたお金で返済していかなければなりません。
つまり、借りたお金を使ってしまえば、借りた金額と同額のお金(≒利益)を
稼ぎ出す必要があるということです。借りたお金は収益ではないのです。
借りた金額と同額のお金を稼ぎ出さなければ、返済は自ずと苦しくなっていきます。
・本業で稼ぎ出した自由に使えるお金 > 借入金の返済額
(フリーキャッシュフロー)
自分の会社が、年間を通してこの様な形を作ることができているか、確認してください。
もし、本業で稼ぎ出した自由に使えるお金(フリーキャッシュフロー)が計算できない時は、
下記の算式でも良いでしょう。
・(経常利益+減価償却費-法人税等) > 借入金の返済額
損益計算書(P/L)と借入金の返済表があれば、簡単に判断できます。
減価償却費はキャッシュアウトのない費用ですので、利益に足し戻すことにより、
手元に残る利益(≒お金)を表します。
利益とキャッシュの増加は、必ずしも一致せず近似値にはなりますが、会社の状況を
大まかに判断するには十分です。
借入金の返済に必要な利益の額があること、これが「お金が足りている状況」です。
まずは、これを認識するところから始めてみましょう。
「借入金の返済のための借入金」になっていないか
では、上記の様に「お金が足りている状況」でない場合はどうなるのでしょうか?
下記の算式の状況になっている場合です。
・本業で稼ぎ出した自由に使えるお金 < 借入金の返済額
(フリーキャッシュフロー)
・(経常利益+減価償却費-法人税等) < 借入金の返済額
お金が足りていないわけですから、お金を用意しなければなりません。
自己資金を入れることができなければ、金融機関などから調達するしかありません。
調達できなければ、営業する上での経費関係の支払いが滞りますので、
倒産ということになるわけです。
では、金融機関から調達できれば、それで良いのでしょうか?
お金が足りていない状況では、新たに借りたお金も運転資金に流れていきます。
当座はしのげるかも知れませんが、結局のところ、借りた金額以上の利益を生み出さなければ返済することはできません。
根本的な解決なしには、新たな資金調達をしても雪だるま式に負債が増えていきます。
借入金の返済のための借入になっているのであれば、早めに見直しをするべきです。
このような現状を打破するためにも、あとどれだけの利益を稼ぎ出せば「お金が足りている状況」になるのか、このラインをしっかりと認識しておくことがとても重要です。
自社の「お金が足りている状況」をしっかりと認識した上で、立て直すための営業戦略を構築してみてください。
売上を増やすための営業活動にどれだけ資金投下できるのか、経費削減をどの程度行う必要があるのか、設備投資の時期など・・・。
様々な戦略の中からまず何をしなければいけないのか、自ずと見えてくるはずです。
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【編集後記】
最近体重が増加傾向です。
一日一新のために、新たなお店を求めての外食などが多いからかも知れません。
健康診断も近々ありますし、ちょっと引き締めないといけません。。。
【昨日の一日一新】
・じゃがりこ 明太チーズ
・じゃがりこ 赤いコンソメ味