帳簿書類等の保存期間、ご存知ですか?

Pocket

事業をしていると、帳簿や書類等の資料が溜まっていきますよね。
置いておかないといけない資料、いつまで保存しておけばいいかご存知ですか?

img_4875

税務上の保存期間は、原則7年

事業をしていると、帳簿書類等の備え付け、記録、及び保存の義務があります。
決算や確定申告が終わって、決算書、元帳、領収書や請求書などの資料を
段ボールにまとめたりして、それぞれ保存されていることと思います。

で、毎年増えていくこれらの資料。
場所も取りますし、保存期間が過ぎれば速やかに処分して整理したいものです。

法人の場合

税務上は、次の様に保存期間が定められています。

・その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間

7年間と結構長いです。

ちなみに、繰越欠損金の控除期間が、平成20年4月1日以後終了した欠損金の生じた事業年度については9年と延長されたこともあり、併せて帳簿書類等の保存期間も9年となりました。
(同様に、平成30年4月1日以後終了した欠損金の生じた事業年度については10年と延長されることが決まっています。)

税務上では、原則7年間。
欠損事業年度について、繰越控除を適用する場合には、最大9年間と覚えておきましょう。

なお、会社法上にも帳簿書類等の保存が別途定められています。
こちらはさらに長くて10年間です。

個人事業主の場合

個人事業主は税務上の保存期間のみです。
こちらは、青色申告者、白色申告者などの区分、また書類の区分によって複数定められていますが、こちらも原則7年間と覚えておけばいいでしょう。

青色申告者のその他の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など)や、白色申告者の一定の帳簿書類が5年の保存期間との定めです。
ただし、5年経ってこれらの書類のみ抜き出して処分することはほとんど考えられないので、実務的には7年間保存することになるかと思います。

保存していなかった場合の注意点

税務上(青色申告関連)

青色申告は、法人でも個人でも一定の優遇措置があります。
青色申告の要件として、帳簿書類等の保存が定められている以上、
保存していなかった場合には、青色申告の承認が取り消されます。

ということは、適用していた優遇措置が適用されないことになるので大変です。
主なものを下記にまとめてみました。

<法人>

・欠損金の繰越控除の不適用
・欠損金の繰戻還付の不適用
・措置法などによる青色申告が適用要件の特典の不適用
(30万未満の少額減価償却資産の損金算入、各種税額控除など)

<個人>

・青色申告特別控除の不適用
・青色事業専従者給与の不適用
・純損失の繰越控除の不適用
・純損失の繰戻還付の不適用
・措置法などによる青色申告が適用要件の特典の不適用
(30万未満の少額減価償却資産の損金算入、各種税額控除など)

税務上(消費税法関連)

消費税法上も帳簿書類等の保存が要件の事項があります。
それは、仕入税額控除という規定です。

消費税の原則的な考えの、「預かった消費税」から「支払った消費税」を差し引くこと、
この差し引くことを仕入税額控除といいます。

「預かった消費税」-「支払った消費税」=納付すべき消費税

帳簿書類等の保存がされていないと、支払った消費税の控除を認めてくれません。
預かった消費税を丸々納めるなんてことは、ちょっと想像を絶する税負担です。

会社法上

会社法上、会計帳簿や計算書類の記録義務違反、虚偽記については、その職務を行う者に対し100万円以下の過料とされています。

まとめ

帳簿書類等の保存期間、7年間は絶対だと思っておきましょう。
保存していなかった場合に税務調査等での指摘を受ければ、
よほどやむを得ない事情がある様な場合以外は、厳しい措置が取られることと思います。
当然のことながら、税負担や罰金の負担が重くなるのは想像に難くありません。

また、会社法の保存期間は10年間です。
安全策ならば、10年間の保存ですが、この帳簿書類等の保存の件で、
過料をかけられたというのはほぼ聞いたことがありません。

実務的には、税務上の7年間を意識しておきましょう。
そして、これらの保存期間を経過した資料は、適宜処分をして
資料整理に努めたいものですね。実際、保管する場所も限られますからね。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

【編集後記】
日本シリーズは広島の2連勝。
明日からは北海道に場所を移して、日本ハムの反撃に期待したいですね。

【週末の一日一新】
・CAFE TARO
・ファミマプレミアムシリーズ ひれかつサンド
・キッコーマン いつでも新鮮おさしみ生しょうゆ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする