先日のクラフトビール屋さんに行ったのが影響したのか、「よなよなエール」の本に出合いました。とても元気をもらえる本です。そしてよなよなエールが飲みたくなります!!
気付いた時から始めればいい
よなよなエールって、ビールを飲む人には随分と認知されてる印象があります。
最初は地ビールブームの頃に知ったのかな、と思いますが、クラフトビールブームも到来し、
順調に成長してそうなイメージでした。
もちろん地ビールブームの終焉と共に、多くの醸造所が淘汰された事実は知っていましたが、
この会社(株式会社ヤッホーブルーイング)でも、長く苦しい挫折の時代があったとは、この本で初めて知り驚きました。
地ビールブーム下火になりかけた頃、大手コンビニエンスストアでの販売が決まり、欠品にならぬよう、フル稼働で生産したエピソード。実際には初回納入分も売れず、倉庫からはみ出るほどの在庫を、最終的には我が手で排水溝に廃棄されていた現実。
愛情込めて作ったビールを自ら廃棄しなければならない現実、本当に断腸の思いですよね。
でも、この当時を振り返り、井手社長(当時は一社員)は、心のどこかで「他人事」であったことを告白しています。
転機が訪れたのは、当時37歳の井手さんがネット通販担当デビューを果たしたとき。
開店休業状態だった楽天市場でのネットショップを、楽天の手ほどきを受けながら、
「誰でもやっていること」をやろうとしていた自分に気づき、自分ができる「みんなにはできないこと」に最大限取り組んでいきます。
どん底まで落ちて、最後の最後の最後、いろんな幸運が重なって初めて手をつけるようなバカでも、そこそこうまくいけた。だったら、どんなことでも、気づいたいまから始めればいいじゃない!
本当に、気づいた時からでいいから始めればいいんですよね。
「思い立ったが吉日」、「今を生きる」ということにも繋がる言葉です。
社長が変わり、社員も変わり、周りも変わっていく
中小企業にとって、組織体制の構築ってかなり難解な問題だと思います。
経営者と従業員では思いが違うし、利害関係も異なります。
人間みなそれぞれ個性があり向き不向きもある中で、人材育成も進めなければなりません。
人のこころをつかむ・動かすというのは、並大抵ではできませんよね。
ヤッホーブルーイングの成長の根幹に、社長自身の変化が挙げられます。
かつては「他人事」「傍観者」であった井手さんが、自分自身が変わらなければ何も変わらないことに気づき、どんどんと成長していくのです。
凄いと思ったのは、その自分自身の変化により自身で結果を出すことだけにとどまらず、それを周りの従業員にも認知させたこと。その道のりは決して容易なものではなかったかと思いますが、最高のチームを作るために、取り組んでいることで得られるものを従業員に実感させていきます。
組織体制を構築する中で、トップダウンで指令だけする社長や、形だけ組織らしく役職等を割り当てることをよく目にしますが、そういうことでは中身は何も変わってないですよね。
社長の本気度が伝わり、そこまで社長が頑張るのには理由があることを従業員に気づかせて、
従業員自身でその理由を実感してこそ、本当の意味で同じベクトルに向けるのではないかと思います。
そういった良い流れが、社内だけにとどまらず外部の業者などにも伝わっていくことは想像に難くありません。そして、その流れはよなよなビールのファンにまで広がっていくことになります。
みんな最初からすごかったわけじゃない
本書には、星野リゾートの星野さんや、楽天の三木谷さん、エバーノート日本法人の外村さんなど有名で偉大な方々との交わりも語られています。
井手さんが見つけたこれら偉大な人たちに共通するもの。
言われてみれば、みんな、実は神様なんかじゃなかった。
僕と同じように、迷ったり、失敗したりして生きてきた等身大の人間でした。
結果としてはすごいことをやっているけれど、最初からすごかったわけじゃない。
若かりし頃、様々な職を渡り歩き、なんとも平凡(失礼)に思える井手さんが、よなよなエールに出会い、感激し、挫折を味わい、いろいろな方に支えられながらも、自ら成長を遂げていく姿。その井手さんが実感したこの言葉、本当にそうなんだろうと思います。
「僕にできることは、あたなにもできる。」
誰にでも、「自分のできること」を真剣に頑張って突き進むことの大切さを教えられた気がします。
そしてまた、よなよなエールが飲みたくなるわけです!!
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【編集後記】
ブログを書いていることによって、今まで出会わなかったものに出会ってるんだなと実感。
些細なことでも、人生に変化があるというのは面白いものです。
【昨日の一日一新】
・ふわっとろ てぃらみすわらび
・福太郎梅田店