税額を軽減できるものとして、税額控除があります。
確定申告で使える税額控除、主なものをまとめてみました。
配当控除
配当所得(国内に本店がある法人から受けたものに限る)がある場合には、
配当控除の適用が可能です。
ただし、配当所得を総合課税により計算した場合のみとなります。
<配当控除額>
・課税総所得金額等が1,000万円以下の場合
…配当所得金額の10%
・課税総所得金額等が1,000万円を超える場合
…その超える部分の金額≧配当所得金額→配当所得金額の5%
…その超える部分の金額<配当所得金額→配当所得金額の10%-超える部分の金額の5%
※特定証券投資信託の収益の分配(5%・2.5%)
※外貨建等証券投資信託の収益の分配(2.5%・1.25%)
※特定外貨建等証券投資信託の収益の分配の場合は、配当控除の適用はありません。
配当控除は総合課税を選択しなければならないため、必ず所得が増加します。
適用すれば必ず税額軽減になるわけではないので注意が必要です。
詳細は下記の記事を参考にしてみてください。
住宅借入金等特別控除
おなじみの住宅ローン控除。
住宅を取得等して、居住の日から6か月以内に居住の用に供した場合には、
一定の申告を行うことにより、税額が軽減される制度です。
<住宅借入金等特別控除額>
住宅借入金等の年末残高(※)×控除率(※)
※家屋等の取得価額<年末残高の場合は、家屋等の取得価額
※控除率、控除期間は取得年度によって変わります
平成28年中取得は控除率1%、控除期間は10年間、借入金等の限度額は4,000万円(※)。
※認定住宅の場合は5,000万円
※特定取得(消費税8%による取得)以外の場合は2,000万円(認定3,000万円)
平成28年中取得分より、必要書類だった住民票の添付が不要となりました。
これは、マイナンバーが導入されたことによる措置です。
なお、この規定は次の場合には適用がありません。
・その受けようとする者のその年の合計所得金額が3,000万円を超えるとき
・居住年以前3年の間に、居住用財産の課税の特例の適用を受けているとき
(その他の住宅関連特別控除)
・特定増改築等住宅借入金等特別控除
・住宅耐震改修特別控除
・住宅特定改修特別税額控除
・認定住宅新築等特別税額控除
外国税額控除
国外源泉所得について、外国税額を課されている場合には、
国際間の二重課税防止の観点から、控除限度額の範囲内で、
外国所得税の額を差し引くことができます。
中小事業者が特定機械等を取得した場合等の税額控除
中小事業者に該当する青色申告者が、指定期間に特定機械装置等を取得等して、
指定事業の用に供した場合に適用のある税額控除です。
(指定期間:平成10年6月1日から平成29年3月31日(延長予定))
この規定に代えて、特別償却を適用した場合には、税額控除は適用できません
<税額控除額>
・特定機械装置等の取得価額の7%相当額
(その年の調整前事業所得税額の20%相当額が限度となります)
なお、特定生産性向上設備(平成26年1月20日から平成29年3月31日)
に該当する場合には、上乗せ措置があります。
・特定生産性向上設備等の取得価額の10%相当額
(その年の調整前事業所得税額の20%相当額が限度となります)
(特定機械装置等)
①機械及び装置(1台、1基あたり160万円以上)
②一定の工具、器具及び備品(1台、1基あたり取得価額合計120万円以上)
・測定工具及び検査工具(1台30万円以上かつ合計120万円以上)
・電子計算機(合計120万円以上)
・インターネットに接続されたデジタル複合機(1台120万円以上)
・試験又は測定機器(1台30万円以上かつ合計120万円以上)
③ソフトウェア(取得価額の合計70万円以上)
④車両及び運搬具(車両重量3.5トン以上の普通自動車で貨物の運送の用に供するもの)
⑤内航運送業又は内航船舶船貸渡業の用に供される船舶
(上乗せ措置に該当する特定生産性向上設備)
①一定の機械及び装置(1台、1基あたり160万円以上)
②一定の工具、器具及び備品(1台120万円以上又は1台30万円以上かつ合計120万円以上)
③一定のソフトウェア(1台70万円以上又は1台30万円以上かつ合計70万円以上)
雇用者給与等支給額が増加した場合の所得税額の特別控除
青色申告者が、平成26年から平成30年までの各年において、
国内雇用者に対する給与等の支払いが、一定の増加要件を満たした場合の特別控除。
<特別控除額>
雇用者給与等支給増加額の10%相当額
(その年分の調整前事業所得税額の10%(中小事業者は20%)相当額が限度)
一定の増加要件は、下記の記事を参考にしてみてください。
まとめ
この他にも細々とした規定はいろいろありますが、
使い勝手のよいものは、この辺りになってくるでしょうか。
住宅ローン控除の適用は忘れることはないでしょうから、
検討すべきもので適用可能性の高いのは、資産関連と人件費関連です。
設備投資をされた方、採用増加に加え賃上げを行っている個人事業主には、
税額軽減の特典の余地の可能性があります。
是非、検討してみましょう。
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【編集後記】
今日も寒い一日でした。
微妙に鼻の調子が悪いです。
毎年のことではありますが・・・。
【昨日の一日一新】
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